FSCジュニア・アンバサダーの高校3年生の髙橋巧己さんは、日本全国のまだ知られていない魅力的な資源を広く発信し、価値を高める方法を考えたいという問題意識から、"認証マーク"を手がかりに地域間のつながりや情報を可視化するネットワークを築くことができるのではないかと考え、「人々の選択を変えることで地域資源の価値をどう最大化できるか」をテーマに研究活動を行っています。
既存の認証マークの認知度調査データはあるものの、実際の肌感覚で街ゆく人々の認知度を知りたいと考えた髙橋さんは、2025年3月4日〜3月5日の2日間、渋谷スクランブルスクエア7階で、様々な認証ラベルを紹介しながら、例としてFSCラベル付き商品を展示し、商業施設を利用する一般の方々に対して認証マークに関する認知度と購買意欲に関するアンケートを実施しました。
「購入へのハードルをあぶり出し、どう解決できるのか、どうしたら購買動機に認証マークを入れることができるのかを考えるために、生の消費者の声を聞いてみたかった。」と髙橋さんは語ります。
アンケートには148名が参加し、これまで身近な製品に認証マークがついていることに気づいていなかったことに驚き、これから意識してみるという方が多くいた一方で、値段を重視するという声もありました。
アンケートの結果、認証マークを見たことがある人の割合は97%、仕組みを知っている方の割合は40%と、これまでFSCジャパンで実施したFSCマークの認知度調査の結果と比較しても非常に高い結果となりました。
また、同じ品質の商品で認証マーク付きのもの、認証マークなしで価格が少し安いもの、認証マーク付きでポイント還元や割引などの特典が付くものを比較する質問では、認証マーク付き製品と価格の安い認証マークなし製品を選ぶ方は同程度となっており、また認証マークつき製品に金銭的なインセンティブや私的メリットが付加されていれば、価格の安い認証マークなし製品よりも認証マーク付き製品を選びたいという方が3倍以上いることがわかりました。ただし、認証マークは気にしない(選ぶ基準は別の要素)と回答した方が46%おり、まだまだ認証マークは購買動機としては十分に浸透していないことが伺えます。
髙橋さんは、2024年に開催された第5回FSCアワード高校生の部で最優秀賞を受賞し、FSC認証製品の購入がどのような社会貢献につながっているのかを可視化するアプリの提案を行なった経験もあります。
今回の調査を通して、「やはり私的メリットと社会的意義の接続が重要なのではないかということを再認識しました。幼い頃に楽しん集めていたベルマークのように、楽しみながら認証マークについて知る仕組みがあれば良いのではないかと思います。」と話してくれました。