国内規格策定作業は、FSC手順FSC-PRO60-006 V1-0「国内森林管理規格の策定とFSC原則と基準第5版へのトランスファー」 に従って進められます。この手順では、規格策定の中心となる規格策定グループ(SDG)の構成や利害関係者へのコンサルテーションなどが定められています。国際標準指標(IGI)ひとつひとつについて規格策定グループ(SDG)を中心に採用、適合、棄却、追加の議論が行われ、2回のパブリック・コンサルテーションとフィールドテストおよび本部での審議を経て承認されます。承認された規格は、国内の全ての森林認証の審査・監査に適用されることとなります。
日本では、2007年以前、森林管理規格原則と基準第4版に基づいて国内規格策定作業が行われ、第8版まで作成されました。2007年の森林管理規格第8版は下記のリンク からご覧いただけます。しかし、これが承認される前に、国際規格が改定されることになり、2007年に作成された国内規格が実際に使われることはありませんでした。一方で、2007年の国内規格第8版は利害関係者へのコンサルテーションやフィールドテストといった必要なプロセスを経てきているため、今回の国内規格策定は以前策定した第8版からのトランスファーという形をとることになります。この場合、新規に国内規格を策定する場合と比べていくつかのプロセスを省くことが可能となります。
また、これまで国内で行われてきた森林認証審査では、各認証機関が独自に策定した国内暫定規格が使われてきました。こうした経緯を踏まえ、これから始まるIGIを基としたFM国内規格策定では、以前策定した国内規格第8版およびこれまで使われてきた各CBの暫定規格を参考にしながらIGIの指標ひとつひとつを議論することになります。
予定されている日本国内規格策定のプロセスは以下の通りです。このスケジュールは目標であり、状況に応じて随時変更の可能性があります。
草案0(叩き台)作成 2015年4~7月
SDGでの討論・第1草案の作成 2015年8~11月
パブリックコンサルテーション(60日間) 2015年12月~2016年2月
第2草案の作成 2016年3~4月
フィールドテスト (必要に応じて) 2016年5~7月
第3草案の作成 2016年8~9月
SDGでの討論 2016年10~12月
パブリックコンサルテーション(30日間) 2017年1~2月
最終草案の作成 2017年3月
SDGにおける最終討論 2017年4~6月
FSC本部への提出 2017年7月
また、規格策定の中心となる、規格策定グループ(SDG)のメンバー構成は以下の通りです。
議長:富村周平(富村環境研究所)
環境分会:
太田猛彦(東京大学名誉教授)
三柴淳一(国際環境NGO FoE Japan)
橋本務太(WWFジャパン)
経済分会:
速水享(速水林業)
桂徹(三菱製紙)
近藤大介(三井物産)
社会分会:
白石則彦(東京大学教授)
芝正己(琉球大学教授)
内藤大輔(総合地球環境学研究所)
これ以外でも、議論には各分野の専門家や主要利害関係者に加わっていただく予定です。
このプロセスでは、日本の森林管理に関わる利害関係者すべての意見が大変重要となります。皆様も是非奮ってご参加ください。このプロセスに積極的に関わっていきたい、またはこの件に関しての情報の配信を希望される方はFSCジャパン指針・規格コーディネーター、冨村ちさと(ctomimura@forsta.or.jp)までご連絡ください。