今回のアンケートは、計算手法の詳細に関するものではなく、そもそもこのような手法やツールを開発することに賛成か、また現時点でどのような問題が考えられるかなどについて意見を求めるものです。
FSCが新たに考えているカーボンフットプリント認証は、認証取得者が任意で利用でき、丸太、ペレット、チップはもちろん、消費者向けの最終製品の段階でもアピールができるものを想定しています。

カーボンフットプリントは、気候変動や温暖化の議論において重要なツールとして世界中で注目されています。国の再生可能エネルギー方針の一環としてバイオマスエネルギー供給の際にカーボンフットプリントが求められているケースもあります。現在アメリカではFSC CoC認証を取得しているペレット生産者でも、Sustainable Biomass Partnershipのような別の認証制度を利用して情報を提供している現状があり、FSC CoC審査の中で認証機関がカーボンフットプリントの情報も証明できれば、全体の簡素化とコスト削減につながります。
また、建設・建築、家具、パッケージ業界などでもカーボンフットプリントは注目されています。

一方で、木材・紙であればなんでも良いわけではないことを私たちはよく知っていますが、いくつもある既存のカーボンフットプリント計算手法は、適切な森林管理がされている森林からの原材料と、森林破壊によって供給された原材料を区別していません。
私たちが考えている手法は、生物起源炭素や森林破壊に由来する炭素負債の問題に対応した新たなものであり、今までよりも正確に炭素排出の定量化ができるようになります。
具体的な手法の詳細は、ライフサイクルアセスメント等の専門機関と協力して作成する予定です。また既存システムであるFSCオンラインクレームプラットフォーム(OCP)を利用してサプライチェーン上の情報を収集することを考えています。

カーボンフットプリント認証は、FSC CoC認証規格に関連付けられる他、現在策定中のFM規格における生態系サービス認証との整合も図られます。

カーボンフットプリント認証の成功の鍵は政府、企業、NGOなど幅広い関係者に、一番信頼性が高い計算手法であると認めてもらうこと、そしてFSC会員、認証取得者が納得できる手法を用いることです。
そのために是非アンケートにご協力ください。アンケートは英語とスペイン語で、回答には10分~15分程度かかります。

アンケートおよび背景はこちらのページから(英語)。

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