ヴァーヘニンゲン大学は、Erica Di GirolamiとBas Artsの2名による「森林認証の環境への影響(Environmental impacts of forest certification)」という論文を掲載しました。この研究は北方林、温帯林、熱帯林という3つの異なる森林タイプにおけるFSCの環境への影響を調べた文献を31件分析し、動物相、植物相、生態系のそれぞれへの環境影響をまとめたものです。

多くの研究が熱帯林におけるFSCの影響に焦点を当てており、また、非認証林や他の認証制度に関する調査データも限られているなど、いくつかの制限はありながらも、著者はFSCが特に動物相に関して顕著な良い影響を与えていることを示しました。FSC認証コンセッション(伐採権所有地)における低インパクト伐採や厳しい狩猟管理など特に動物種の維持に貢献していることが示されています。

また植物種と生態系に対しても、動物相ほどではないけれども、全般的に良い影響が示されています。例えばインドネシアでは、FSC認証コンセッションにおいて2000年から2008年の間に平均31%の大気汚染緩和が見られています。また従来の伐採方法や保護地域と比べて、FSCがより効果的に熱帯林の破壊をストップまたは軽減していることを示した調査結果もあります。

温帯林での研究では、例えばポルトガルのコルクガシ林において、FSCがコルクの更新や保全地域や渓畔林において高い植物の多様性を維持することに貢献していることが示されています。

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