イタリア初のFSC認証カプセルコレクション「La foresta in un abito」

イタリアのファッションは、常にエレガンス、創造性、そして職人技の象徴であり、イタリア経済に大きく貢献する分野です。しかし、その華やかなラグジュアリーと名声の陰には、業界がもたらす経済的・環境的影響という大きな課題が潜んでいます。

2025年初頭に始まった「La foresta in un abito」(ドレスの中の森)コンテストは、ファッションにおける森林資源の責任ある利用と、FSC認証がセルロース系繊維、木材、ゴム、コルクといった原材料の持続可能なサプライチェーンの確保に貢献していることを知ってもらうために立ち上げられました。

最終的に、このコンテストで優勝した若手デザイナー(Chiara Bisaccia, Jonathan Evangelista, and Chiara Maria Fabbrizzi)の受賞デザイン3点からなる、一つのコレクションとして結実しました。

このイタリア初のカプセルコレクションは、2025年6月23日のミラノ・ファッション・ウィークで正式に発表され、FSCプロジェクト認証(FSC-P002193)を取得しました。プロジェクト認証とは、責任ある森林管理から生まれた製品を非工業的に利用する、単発的なプロジェクトに対して発行されるものです。

また、コンテストには参加者としてではなく特別に作品を発表したMarco Fiore氏のプロジェクト「Maspillo」には、特別賞が授与されました。

「La foresta in un abito」コンテストは、職人技、サステナビリティ、ソーシャルインクルージョンを融合させたアパレル企業Colombo Industrie Tessili、イタリアのFSC認証テキスタイル業界を牽引する企業、そしてColori Vivi Impresa Socialeとのパートナーシップのもと、FSCイタリアが企画しました。

最終候補者は、審査員によって選出され、審査員は、業界の専門家であるDario Casalini(Slow Fiber創設者)、キChiara Colombi(ミラノ工科大学ファッションデザイン・ファッションシステムデザイン准教授)、 Silvia Gambi(ジャーナリスト、 Solo Moda Sostenibile blog創設者)らに加え、3つのプロジェクトパートナーの代表者で構成されました。

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若手デザイナーたちは、2日間のワークショップを通じて、FSC認証の生地と木製の仕上げ材を使い、デザインを手作業で制作しました。これらの素材はColombo Industrie Tessili社から提供されました。

販売請求書とFSC認証材の審査が行われ、その後認証機関により、このプロジェクトに対してFSCプロジェクト認証が発行されました。

審査員長でありミラノ工科大学のデザイン学部教授であるChiara Colombi氏は、次のようにコメントしています。

「ファッションが持続可能な生産へと移行し、責任を持って管理された森林から得られる再生可能な原材料を採用することは、非常に重要です。今回発表されたプロジェクトは、現代的な美しさと素材の持続可能性を両立させる、デザインの可能性を明確に示しています。」

 

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