この決定を受け、FSCはPEFCとの共同文書という形で反対意見を示しました。
ISOはCoC規格作成過程においてPEFCとFSCを関与させることの重要さを強調しており、規格作成のプロジェクト委員会に対して、規格の適用範囲をまずは明確にするように指示をしました。

2014年5月には規格草案づくりが開始され、適用範囲もISOにより承認されました。それによると適用範囲はCoCのみであり、森林管理(FM)は範囲外であることが明確になり、持続的な森林管理を推進するという目的は外されました。現時点では適用範囲と目次のみが完成しています。9月から10月にかけて複数国で行なわれている利害関係者の会議の結果を受け、2014年11月には専門家によるワーキンググループが規格草案第1版を完成させる予定です。2017年5月が規格導入期限とされています。


FSCは規格作成過程に連絡担当会員として参加しています。
反対意見を表明する傍ら、FSCはISOからの招待を受け入れ、連絡担当会員(liaison member)として参加することを決定しました。これは関係者に対してFSCの運用方法を理解させるとともに、グリーンウォッシュに使われる可能性のあるツール開発のリスクを十分に認識させるためです。またFSCでは、FSC CoC認証制度の複雑性やFSCとPEFCの両方のCoC認証を取得することの費用について懸念を持っている企業があることを認識しており、これらの懸念に回答をする準備ができています。

一方、FSCの関与は我々がこのような規格を支持することを表明しているわけではありません。現時点ではこのような規格はFSCが築き上げてきたFSC認証林とマーケットの繋がりを維持する堅固な仕組みを揺るがすものだと考えています。

この件に関してFSCはPEFCと協力していきたいと考えています。

提案の見通し
昨年の投票は残念な結果でした。118のISO正会員のうち、15が賛成票、8が反対票、11が棄権票を投じました。関与している企業はそれぞれに色々な動機を持っているようです。例えばFSCとPEFCにお互いを認め合う(無条件に相互の認証材を使用できるようにする)ことを目的としている企業、自己宣言型の持続的な森林管理を認証林と同じように扱って欲しいと考える企業、複数のCoC制度に対して支払っている費用を軽減したい企業などです。

この規格作成過程において11月の専門家による会議がひとつの鍵となると考えられます。この会議で我々の投げかけている、どのようにISOが特定の原材料のインプットを管理できるのか、またグリーンウォッシュをどのように防ぐのか、それらが出来ない場合に、規格作成をする意味はあるのかという質問に対する回答を得られると思います。FSCはこの規格が持続的な森林管理を推進するための役割を果たすとは考えていません。実際はその反対の影響があるのではないかと懸念しています。

この件に関して、詳細を知りたい場合は次の担当者までご連絡下さい。
John Hontelez, Chief Advocacy Officer, j.hontelez@fsc.org

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