Making forest concessions in the tropics work to achieve the 2030 Agenda: Voluntary Guidelines と名付けられた同ガイドラインはこちらからダウンロードいただけます。

同ガイドラインは、8つの原則の下に39のガイドラインが定められており、各ガイドラインには複数の推奨事項が定められています。

FSCの主任アドボカシー・オフィサーのJohn Hontelezは次のように述べています。「これらのガイドラインは、企業またはコミュニティによる管理によらず、熱帯林コンセッション(伐採権所有地)が社会、環境、経済的により良く、生産性高く管理されるための包括的なプログラムを示しています。私たちは、同ガイドラインにおいて、独立した自主的な認証制度が果たす役割が正当に評価されていることを嬉しく思い、多くの関係者が同ガイドラインを用いることを望みます」。

熱帯林の72%程度が公有林だと言われています。そして多くの場合は公的機関が管理方法を決めており、生産林管理において最もよく使用されるツールが、企業やコミュニティに伐採権を与える森林コンセッションです。現在1億2,300万ヘクタールの熱帯自然林がコンセッションとして管理されています。これは熱帯林全体の7%に過ぎませんが、しかし商業利用される熱帯木材のほとんどがコンセッションから生産されていることから、非常に重要なツールであり、コンセッションは周囲の森林や居住者にも大きな影響を与えます。

この度発表されたFAOのガイドラインの原則3(森林コンセッションの透明性、包含的で責任のある計画、割当、実施およびモニタリング)の下に定められている6つのガイドラインのうちのひとつは「独立した自主的な森林認証とその加工工程の奨励」です。
このガイドラインの下で示されている推奨事項では、長期的な経済的継続性、社会による受け入れ、環境的な管理を向上させるために、政府に対しては認証取得に動議付けをすることを推奨し、コンセッション契約者には認証取得を推奨しています。またその他の関係者には、広告宣伝や認証取得コンセッションへのサポートを通じて認証の普及へ貢献することを推奨しています。

ガイドライン5.4では、森林の合法性を担保する制度を利用するコンセッションに対して、税制的な優遇をすることを政府に奨励しています。

ガイドラインでは、この他にも以下の項目において、認証が推奨ツールとして紹介されています:

  • 労働者の権利と安全な労働環境への配慮の推進(ガイドライン4.4)
  • 違法な森林活動に由来する製品との市場競争からの保護(ガイドライン5.8)
  • コンセッション内や近隣に住むコミュニティおよび先住民族を関与させる(ガイドライン7.1)
  • 地域社会の暮らしと社会福祉の改善に貢献(ガイドライン7.2)
  • 現場レベルで森林資源の持続可能な利用を保証し、環境を保全する(ガイドライン8.2)
  • 期待される成果の達成を評価し、実施状況をモニタリングする(ガイドライン8.4)

このガイドラインは、FAOだけでなく、欧州森林機関(EFI)、国際林業研究センター(CIFOR)、フランス国際農業開発研究局(CIRAD)、国際熱帯木材機関(ITTO)、世界銀行、ブラジル森林サービスの専門家チームによって作成されました。

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