2012年に、FSCの原則と基準が改定され第5版となりました。そして、原則と基準を世界中で一貫して適用するために、2015年6月には、国際標準指標(IGI)が発行されました。これを受け、日本においてもIGIに基づいた国内規格を策定するプロセスが開始されました。国内規格の策定は、社会・環境・経済の専門家3名ずつから成る規格策定グループ(SDG)によって主導され、多くの方々の協力を得て、2回のパブリックコンサルテーションと2か所におけるフィールドテストを経、この度FSC指針・規格委員会から正式に承認されました。
ご協力を頂いた皆様には改めて御礼申し上げます。
こちら のニュースでお伝えしております通り、2018年7月1日にIGIが第2版へと改定されています。日本においては2020年6月30日までにIGI第2版の内容を反映し、日本国内森林管理規格を改定することが求められます。
通常、国内森林管理規格はFSC-STD-60-006に基づき、5年の有効期限を持ちますが、今回は上記の理由により、5年を待たずに2020年6月30日までに改定される予定です。ただし、この改定はIGI第1版から第2版における変更点の反映を主としています(詳細は先のニュース記事を参照ください)。その後の改定スケジュールについては未定です。
日本国内森林管理規格に関するご意見、ご質問はFSCジャパン三柴ちさと(ctomimura@forsta.or.jp)までお願いします。
FSCジャパン代表・規格策定グループ議長 太田猛彦によるご報告
FSCジャパンがFSC指針規格委員会に申請していた「日本国内森林管理規格」がこの度正式に承認され2018年11月15日に公開されましたので報告いたします。この国内規格の承認は多くのFSCジャパン関係者が長らく待ち望んでいたもので、私たちにとって大変うれしい報告であります。また、その草案は多くの利害関係者のご参加を得て策定されたもので、これまでご協力いただいたすべての皆様に改めて御礼申し上げます。
国内規格の検討は2001年に開始され、これまでは2007年に策定された第8次草案が実質的に各認証機関で適用されてきました。その後「森林管理の原則と基準(国際規格)」の全面改定があり(FSC原則と基準第5版)、さらにそれに基づき指標レベルでも国際的な標準指標が発効しましたので、この標準指標に沿って国内規格案の詳細な検討が続きました。国内のFSC関係者を中心に作成された最初の草案作成以来、きわめて多くの利害関係者と真剣に意見の交換を行って内容を高めてきたとの自負があります。そしてこのたび正式承認となりました。
世界的には依然として森林破壊が続き、一方で「持続可能な森林管理」が言葉だけで上滑りしている状況下で、このFSC日本国内森林管理規格は現場で何をすべきかを具体的に示しています。さらにこの規格は世界の森林を見据えての国内規格であり、世界的に何が求められているのか、また独特の気候・風土・社会を持ち、とりわけ自然災害が多い日本で、スギ・ヒノキに代表される単層人工林主体の林業やその他の森林をどう管理すべきか、も含まれています。
私たちFSCジャパンはこの国内規格、およびそれが体現するFSCの目指す責任ある森林管理のいっそうの普及に努力いたします。また、この規格によって森林管理の現場がどのように改善されるかを見守り、さらなる課題を整理して次の改定に備えたいと思います。今後もFSCジャパンへのご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。
これまでの経緯を含む、ご報告の全文は以下からダウンロードいただけます。