以前こちらのニュースでお伝えしました通り、FSCは同グループの「組織とFSCとの関係に関する指針」の違反について調査をしていました。
今回の決定によって、Schweighoferグループは、2017年2月7日から10日に行われるFSC国際理事会までに多くの条件を満たさなければなりません。満たせない場合は、同理事会において関係断絶の決定が下されます。
FSCは、執行猶予を与えることがSchweighoferグループにとって、一番効果的にルーマニアにおける違法伐採と違法木材の取引への関与を是正することにつながると信じています。
今回の決定は、今年3月に設立された、独立した苦情調査パネルの詳細な調査に基づくものです。
調査の結果、苦情調査パネルはSchweighoferグループがルーマニアにおける違法木材の取引と、合法性の疑われる土地の買収による木材生産に関わっているという明確な証拠を見つけました。これは同グループによる「組織とFSCとの関係に関する指針」への違反を意味します。
一方でFSCは、ルーマニア林業における合法性と持続可能性に関する重大な問題も認識しています。この問題を解決するためには、林業界と市民社会団体が一緒に努力する必要があり、FSCはルーマニアにおけるこの問題の解決を手助けするための建設的な役割を果たしたいと考えています。
このためにFSCはルーマニアにおいて建設的な対話の場を提供したいと考えており、その際にはSchweighoferグループのような林業会社が持続可能性と合法性を正しく理解し、その他の利害関係者と一緒になってルーマニア林業の質を向上していくことが重要だと考えています。
FSC事務局長のKim Carstensenは次のように述べました。「Schweighoferグループが自身のシステムの欠陥に対処するために最近導入した対策について、特にデュー・デリジェンスに関する部分をFSC理事会では評価しています。ただし、同グループがFSCとの関係を継続するためには執行猶予期間のうちにより幅広い分野での改善が必要です。」
執行猶予期間にSchweighoferグループが満たすことを求められている条件は次の通りです:
1. サプライチェーンにおける特定の不正行為に関する責任を負うこと、そして市民社会団体と協力してこの問題に関連するシステムの欠陥を是正することを公約する。
2. 苦情調査パネルの勧告に従った是正活動計画について、環境及び社会分野の利害関係者と透明かつ建設的な対話を行うこと。この計画の実施によってシステム上に残る欠陥が是正されるだけでなく、不正行為によってもたらされてきた森林と人々への悪影響を改善すること。
3. 事前計画を提出し、FSC理事の承認を得ること。
2017年2月のFSC国際理事会までにSchweighoferグループが、これらの条件を満たした根拠を提出できない場合、FSC理事会では即時同グループとの関係断絶を決定する。
元記事はこちら。