このアドバイスノートでは原生林景観(Intact Forest Landscape, IFL)の破壊を即時停止し、残存する貴重なIFLを保護するための措置が定められています。具体的には、IFL内での伐採や路網整備といった森林管理活動は、IFL全体の20%以上に影響させないこと、IFLの面積を50,000ヘクタール未満に減少させないことが規定されています。

また、パブリックコンサルテーションの時点ではブラジル、カナダ、コンゴ盆地、ロシアだけが対象でしたが、対象地域が拡大され、Global Forest WatchIFL地図でIFLと特定されている地域はすべて対象となりました。これにより、日本では朝日山地森林生態系保護地域のブナを主体とする原生林及び日高山脈襟裳国定公園と重複する地域の2箇所が該当します。

このアドバイスノートの規定に従わない認証取得者には是正処置要求が発行されます。

ブラジル、カナダ、コンゴ盆地、ロシアについては、更にFM国内規格策定グループ向けの勧告として総会可決動議65番の実施においてFIPCが必須とすべきである旨が謳われています。また影響を受ける認証取得者と先住民族への情報発信計画を立て、IFL管理に関する対話を行うことも推奨されています。
これらの国のFM国内規格策定過程には、利害関係者の一員として政府関係者が参加するべきであり、FM国内規格のIFLに関する条項が伐採権保有者にどのような影響を与えるか、政府関係者にも理解してもらうことが重要です。

このアドバイスノートは上記IFL地図で示されているIFLが存在するすべての国に適用されます。これらの国でFM国内規格が発効した時点で本アドバイスノートは失効します。

アドバイスノートはこちらの元記事からダウンロードできます(英語のみ)。あわせてパブリックコンサルテーションで寄せられたコメントとFSCからの回答もダウンロードできます。