これらの国内森林管理規格の策定にあたり、幅広い国内利害関係者からの多様な視点の意見が反映され、それらの意見を反映した規格はFSC本部の指針・規格チームによって精査されました。

FSC本部で今後3年に渡って50ヶ国以上の国内森林管理規格策定を管理する担当である、指針マネージャーのFon. Gordian Fansoは次のように述べています。「これらの国の国内森林管理規格を策定するために、それぞれの規格策定グループは、地域の利害関係者から社会、環境、経済分野を代表する意見をよく収集してくれました」。

このFSCの社会、環境、経済という3つの柱からなるガバナンスの仕組みは、様々な利害や関心、経済力を持つ多様な関係者が、誰も不公平に悪影響を受けないために重要です。Gordianは次のように続けています。「国内森林管理規格の策定のためには、まず国際標準指標を前提としつつ、地域性を考慮した修正を行うために、非常に多くの意見が寄せられます。すべてを公平に考慮することは大変難しく、時間もかかりますが、最終的には皆が納得するものができあがりました」。

中国の森林面積は世界で5番目に大きく、森林の64%は自然林、36%が人工林です。
中国の森林には2,500種の生物が生息していると言われています。

ヨーロッパにあるフランス共和国領土を示すフランス・メトロポリテーヌの25%は森林に覆われています。森林面積の12%は国有林、18%が公有林、そして70%が私有林です。

Fon. Gordian Fansoは次のように述べています。「今回策定された2つの国内森林管理規格によって、FSCのビジョン(理念)である将来世代の権利や需要を損なうことなく現在の世代の社会的、環境的、経済的な権利や需要を満たすことが益々推進されます。」

中国では、FSC中国の事務局長であるMao Lichao、調整役のWang Yanyan、そしてアジア・パシフィック地域の指針・規格担当であるJörn Struweが取りまとめ、規格策定グループの努力の下で3年をかけて中国国内森林管理規格が完成しました。
フランスでは、前任のFSCフランス事務局長であるMarie Valléeから、現在の指針ディレクターであるGuillame Dahringerが引き継ぎ、規格策定グループの努力の下で5年をかけてフランス国内森林管理規格が完成しました。

それぞれの国で、パブリックコンサルテーション(意見公募)、フィールドテスト(現場検証)が行なわれ、数多くの会議、草案作成・修正を経て国内森林管理規格が完成しました。

Fon. Gordian Fansoは次のように続けています。「国内森林管理規格の策定は時間のかかる仕事であり、すべての国がそれぞれの課題を抱えています。この度国内森林管理規格が策定された2つの国は、FSCの提言する責任ある森林管理の概念がまだまだ認知されていない国であり、これらの国で国内森林管理規格が完成したことは今後に繋がる非常に大きな節目となるでしょう。それぞれの規格策定グループには心からお祝いを申し上げます。」

これから数週間かけて、それぞれの規格策定グループとFSC本部の森林管理プログラムチームでは、それぞれの国内森林管理規格を公開できるよう最終調整をしていきます。

それぞれの国内森林管理規格の内容や、策定過程に関するご質問がある方はGordian Fanso(g.fanso@fsc.org.)までお問い合わせください。

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なお、日本の国内森林管理規格の策定に関する情報はこちらにまとめています。