以前こちらのニュースでお知らせした通り、FSCでは、組織とFSCの関係に関する指針(FSC-POL-01-004)を改定しています。
同指針は、FSCと関係する組織(認証申請者、FSC会員申請者)が避けることを求められる、6つの許容できない活動を 定義しています。
※本指針に関するよくある質問はこちらから。
改定中の同指針では、具体的な適合確認手順として以下の2つの補足的手順文書を参照しており、これらが今回のコンサルテーション対象文書です:
- FSCとの関係に関するデューデリジェ ンス評価(FSC-PRO-10-004):FSCと契約関係を結ぼうとする認証申請者及びFSC会員申請者が6つの許容できない活動に関わっていないか 事前に確認するための手順。
- 組織とFSCの関係に関する指針への適合評価手順(FSC-PRO-01-009):既にFSCと契約関係にある組織(認証取得者及びFSC会員)や、申請中組織の同指針違反が疑われる場合に適用される調査、対応手順
FSCとの関係に関するデューデリジェ ンス評価(FSC-PRO-01-004)は、当面の間は新規でFSC認証の取得を希望している申請者と、新規でFSC会員になることを希望している申請者に適用されます。
その後、本手順文書に基づく運用が円滑にされるようになった時点で(2~3年間の運用後)すべての認証更新者に適用される予定です。
つまり既存の認証取得者も5年毎の認証更新時に、本手順に則った自己評価を実施する必要があります。
組織とFSCの関係に関する指針への適合評価手順(FSC-PRO-01-009)は、従来通り、既存の認証取得者及びFSC会員のうち「組織とFSCの関係に関する指針」への違反が疑われる者に適用される他、FSCとの関係に関するデューデリジェ ンス評価による事前確認で問題ありと判断された者にも適用されます。
また、非常に重要な点として、組織とFSCの関係に関する指針(FSC-POL-01-004)及びこれら2つの手順文書は、組織の認証範囲外の活動も対象にしています。認証範囲に含まれない関連会社等においても許容できない6つの活動に関わることは許されません。
(※対象を供給者の活動にまで広げるべきかについては、まだ議論の最中であり、結論が出ていません)
従来の仕組みでは、「組織とFSCの関係に関する指針」に関して、認証申請者及びFSC会員申請者はFSCが許容できない6つの活動に関わっていないという自己宣言文書への署名を求められるだけでした。
本手順文書では、その仕組みを自己宣言するだけではなく、より効率的で信頼性の高い仕組みに変えることが提案されています。また一方でそのための第三者審査をするようなことで認証申請者や認証機関の手間を大きく増やさないために、申請者による簡単な自己評価制度の導入及び、リスクの高い地域や業態の申請者だけがより念入りに確認される仕組みが提案されています。
具体的には次の一連の手続について規定されています:
1. オンライン自己評価フォームへの記入
オンライン自己評価フォームの内容には次が含まれます(詳細はAnnex 1に記載):
- 関連会社をすべて記載
- 運営している国をすべて記載
- FSCが許容しない活動への関与を防ぐための具体的な取組みについて質問に回答(経営者によって承認された方針があるかなど)
2. 低リスク組織には、以下3、4の工程は適用されない。
低リスク組織とは:
- 林産物を取り扱わない組織
- トランスペアレンシー・インターナショナルの世界腐敗認識指数が50以上の国のみで運営している組織
3. FSCウェブサイトでの公開
低リスクでない組織は、FSCウェブサイト上でFSC申請者として公開されます。これによって最大10日間、利害関係者がこの申請者について意見を述べる機会が与えられます。
4. FSC事務局による確認
最後に、FSC事務局が組織の自己評価フォームと利害関係者からの意見を確認して問題がなければFSCとのライセンス契約や会員契約を締結できます。
こちらは、従来の手続を効率化するために、次のような改定が提案されています:
- 組織とFSCの関係に関する指針の侵害について、FSCが積極的に調査できるようにする。
- 正式な苦情解決手続を始める前に、FSCが問題の解決を試みる機会を与える手続を追加する。
- 恒常的な評価パネルを設立し、事例ごとに専門調査員を任命できるようにする。
- 組織とFSCの関係に関する指針違反の結果、今まではFSCとの関係断絶という措置しかなかったところに、執行猶予の選択肢と条件を追加する。
- 関係断絶の解消のために必要な条件を追加する。
上記2つの手順文書及び、現在改定中の組織とFSCの関係に関する指針(FSC-POL-01-004)の最新草案(未完成版)、2つの手順文書への意見を提出するためのコメントフォームはこちらのページからダウンロードいただけます。
すべて英語の文書ですので、日本語訳が必要な場合はFSCジャパン三柴(ctomimura@forsta.or.jp)までお問い合わせください。
元記事はこちら。